The Social Network "Y" — Guaranteed to Go Viral
絶対にバズるSNS「Y」
写真一枚で、AIがあなたを炎上させる。
受賞・エントリー
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2026 · 受賞
JAAA 広告業界の若手が選ぶコミュニケーション大賞
優秀賞
課題
映画『俺ではない炎上』は、身に覚えのない炎上に巻き込まれていく男を描いたサスペンス作品である。従来型の広告では、作品の核である「理不尽な巻き込まれ感」を観客に伝えきれないという課題があった。炎上の恐ろしさを説明するのではなく、 当事者として体感させるアプローチ が必要だった。
アプローチ
架空のSNS「Y」を開発し、ユーザーがアップロードした1枚の日常写真から、AIが理不尽な炎上を自動生成する参加型シミュレーションを設計した。体験は以下の3フェーズで展開する。
Phase 1:公開炎上
「Y」のタイムライン上で、写真内の些細な違和感に対する過剰な糾弾が自動生成される。
Phase 2:関係者のリアクション
家族や同僚を装ったDMが届き、ネット上の炎上が実生活に侵食していく構造を提示する。
Phase 3:切り取り動画化
最終的にユーザーの投稿と炎上の経緯が、ショート尺の暴露系動画として要約・拡散される。
体験終了後、「根も葉もないことで炎上する世の中です」という一文を提示し、映画の予告編へと接続させた。


技術設計
体験の質と安全性を担保するため、以下のスタックでシステムを構築した。
AIエンジン(Gemini 2.5 Pro)
日本語の高度な文脈理解と生成速度のバランスから選定。長文プロンプトと画像入力を一度に処理する要件を満たした。
炎上生成プロンプト(約20,000文字)
日本のSNS特有の炎上パターンを言語化し、プロンプトに統合。ユーザー本人を傷つけない「エンタメとしての理不尽さ」を出力するよう調整した。
二重のフィルタリング構造
生成用AIと監視用AIを直列・並列で稼働させ、出力内容を常時審査。人格否定や容姿への言及など、危険ラインを超える表現を機械的に排除した。

成果と社会の反響
広告出稿ゼロ、完全なオーガニック拡散のみで 「公開5日間で100万プレイ」「累計1億インプレッション」「関連動画再生1,000万回」 を突破。ユーザーは自らの理不尽な炎上体験をシェアし、SNS上には以下のような声が溢れた。

体験者からのリアルな声
ただ飼い猫の写真を載せただけなのに、「背景に映っている観葉植物は猫に毒だ、動物虐待だ」と大バッシングされた。ネット特有の “正義感を振りかざした理不尽な難癖” の解像度が高すぎて震えた。
ネットの炎上なんて自分には一生無縁だと思ってたのに、通知欄が批判で埋め尽くされていく演出が生々しすぎて普通に手震えた。誰でも標的になるってこういうことか…。
社会ツールとしての波及
映画のプロモーションという枠を超え、社会課題を映す “クライシス・シミュレーター” としても機能し始めた。
生徒がネット炎上のメカニズムと恐ろしさを安全に体感できる。デジタルリテラシーの教材として授業で使いたい。 — 教育関係者
小さなミスが一夜にして拡大する今の時代に、レピュテーションリスクを学ぶ社内研修のツールとして活用できないか。 — 企業の危機管理担当者
一本の映画プロモーションが、炎上文化そのものを議論するきっかけを生み出した。
開発の裏側
「炎上動画生成」からの方向転換
初期の提案は、「熱愛スクープ風炎上動画」を生成するプロモーション案であり、一度は承認も得ていた。しかし、CDの神山が「映画の世界観を伝えるには、これでは体験として弱い」と差し戻し、ユーザー自身が標的になる参加型シミュレーション「Y」の構想が立ち上がる。ただアイデアを出し直すだけでは通らない挑戦的な企画だったため、代表の芹川が数日でAIの技術モックを構築。「実現性と安全性」をセットで提示することで、企画を再始動させた。
炎上の解像度を上げる泥臭いチューニング
「炎上ディレクター」となるプロンプトの起点は、オンライン上の『炎上クイズ』だった。AIに炎上のメカニズムを学習させるため、「ウインナーの切り方」や「家族写真」といった何気ない日常の光景を大量にインプット。明確な瑕疵がなくても「何か叩ける要素はないか」とつぶさに観察する “歪んだ正義の視点” をAIに持たせるため、CDとエンジニアが連日打ち合わせを重ね、出力される「炎上の質」を徹底的に磨き上げた。
「何を言わせるか」より「何を言わせないか」
開発において最も苦心したのは、 セーフティラインの策定 だ。「親失格」といった人格否定や、容姿への直接的な言及は、単に人を傷つけるだけでクリエイティブではない。エンターテインメントとして成立する境界線は、 「事実をわざと誇張する」「無関係な部分に突っ込む」 といった、ユーザー自身が「なぜそこに目くじらを立てるのか」と笑ってしまうような理不尽さに絞る必要があった。生成AIと審査AIの二段チェックにより、この境界を機械的に担保する仕組みを作り込んでいる。
プロンプトによるクリエイティブの制御
公開初日は静かな立ち上がりだったが、二日目に実況者が取り上げたのを機に空気が一変し、五日目には想定を大きく超える100万プレイを突破した。この結果に対し、代表の芹川は次のように振り返る。
AIはプロンプトさえ詰めれば、既にクリエイティブをコントロールできる段階まで来ている実感を持てた。
結果として、映画を観る前に、その世界観を体験として浴びせきるプロモーションとなった。
動画
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