Make-Your-Own Legend Generator
あなたの偉人化メーカー
AIが捏造する、あなたの偉大なる伝記。
課題
映画『ベートーヴェン捏造』(脚本:バカリズム/監督:関和亮)は、ベートーヴェンの偉業の多くが秘書シンドラーによって 捏造 されていた——という史実を題材にした作品である。ポスターや予告編で「偉人は作られる」と説明することはできても、観客にとっては最後まで 他人事 で終わる。映画の核心を届けるには、観客自身が 本作のストーリーを自分ごと化する 必要があった。
アプローチ
「あなたの偉人化メーカー」を開発した。名前(カタカナ)と職業を入力し、後世に伝えたいイメージを選び、顔写真をアップロードする。数秒後、ユーザー本人を主役にした 3 つのアウトプット が揃う。
TEXT
偉業を、書き起こす
名前と職業から、AI が架空の偉業を文章にする。「土下座を特許化したパイオニア」のような、ベテランコピーライターの思考を学習した AI 特有の切り口 が混ざる。
Gemini 2.5 Pro(生成)+ Gemini 2.5 Flash(検証)
PORTRAIT
肖像画に、描き直す
アップロードした顔写真を西洋絵画スタイルに変換。シンドラーが残したベートーヴェンの肖像と 同じ並びに、対等な「偉人」として置く。
画像生成 API + Cloud Run でスケール
NARRATION
偉人伝風に、語らせる
合成音声が、生成された偉業を朗々と読み上げる。200 年前の捏造を、AI が数秒で誰にでもやってみせる 構造に着地する。
合成音声 + Cloud Run(画像生成と並列)

技術と倫理の設計
中身は 生成 AI と検証 AI の二段構え で動いている。それぞれに違うキャラクターを与え、創造性と堅実性を別タスクとして分担させた。
生成AI ─ Gemini 2.5 Pro
創造性と日本語文脈理解のバランスから選定。「100回実行したら100回違う答えが返ってくる」設定で、突飛な切り口の偉業を引き出す側に置いた。
検証AI ─ Gemini 2.5 Flash
コストパフォーマンス重視で「100回とも同じ答えを返す」堅実な判定側に置いた。NG表現・文字数制限・ブランド毀損リスクをチェックし、生成側の暴走を機械的に止める。
コピーライター × AI のフィードバックループ
管理画面から、コピーライターが生成された 1 行ずつにフィードバックを返す。「日本語として破綻している」「職業と関係ない」など具体に踏み込んだ指摘を 100 件以上 蓄積し、その内容を再びプロンプトに反映していく。チューニングは 10 回以上繰り返した。 AI に書かせたコピーではなく、コピーライターのセンスを浴びた AI が書いたコピー に育った。
コスト・運用設計
- 大量生成は Google Batch API で API コスト 50% 削減
- 音声合成は Cloud Run に載せ、スパイクに自動スケール

開発の裏側
オリエンの会話を、その場で企画書にした
最初の一手は、 クライアントオリエンの最中に企画を生成して提案した ことだった。打ち合わせの会話をリアルタイムで文字起こしし、Gemini に投げ、企画案をその場で生成。打ち合わせ終了の瞬間に「実は、たった今のお話を受けてご提案があります」と画面を出した。
オリエンの日に提案されたのは初めてです、とクライアントも驚いてらっしゃった。 — 岡田(PR / 企画 / PM)
並行して提案中だった「俺ではない炎上」とスキームを共通化することでコストを下げ、両案件まとめて受注。 提案の速度 が、案件の取り方そのものを変えた瞬間だった。
コピーライターを AI に憑依させる
キーは「コピーライターのノウハウを、プロンプトに焼き直す」作業だった。生成側 AI は当初、文法は通っているが面白くない出力を量産していた。コピーライターが管理画面から この理由でこれは面白くない を 100 件以上記述し、それを再プロンプト化していく。10 回を超えるチューニングを経て、生成側のアウトプットは 人間のコピーライターを浴びた AI の文体に変わっていった。
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チーム
Senden-Kaigi specialized copywriting assistance AI
宣伝会議賞特化コピーライティング支援AI
AIにコピーを考えさせるのではなく、人間が自分の手で選び抜くためのAI。